「波風は立てたくない」「選挙前の不安定要素は避けたい」のが官邸のホンネ…迷走する「厚労省」を束ねていくのは誰か
数ある省庁の中でも「厚生労働省」が手掛ける厚労行政と各種政策はもっとも生活に影響を与えるものだと言える。その差配をするのは省内で出世を遂げてきた厚労官僚たちだ。省内では今夏の幹部人事が注目を集めている。この通常国会でも高額療養費制度の見直しが迷走し、年金改革法案は難航、さらにはOTC類似薬問題など社会保障政策をめぐる課題が山積する中、伊原和人事務次官(60、昭和62年入省)の去就が最大の焦点となっている。揺れ動く省内の内情を探った。【近藤義春/ジャーナリスト】...